会員 嘉住熊二 が、花蓮の鉢栽培に関する書籍を上梓。
 会員で、京都花蓮研究会研究会の事務局長でもある、嘉住熊二氏がはじめてみませんか?ハスの鉢栽培(白嵜顕成監修 A5判148×210 46ページ)を上梓しました。
 近年、自宅で蓮を栽培する人々が増えてきたので、その手引書として、初心者に、わかりやすいように書いています。
 内容は、一章では、入手し易いく、比較的栽培しやすい花蓮の品種を紹介しています。二章の蓮栽培の方法では、容器の選び方、鉢の置き場所、元肥与え方、植付けの方法と水の管理と追肥で構成されています。植え替えの仕方は写真で解説しています。
 本書は自費出版です。1部¥1,000円(送料込)で、頒布されます。ご希望の方は、嘉住氏に連絡ください。
                                電話・FAX 
0774−52−3680

  目 次
1 ハスの鉢栽培品種 ……………………………………8
 @ ハスの特性 ……………………………………………………………… 8
 A 花ハスの分類 …………………………………………………………… 9
 B 入手し易く比較的栽培容易な品種 …………………………………… 10
 C ハスの鉢栽培品種の選び方及び入手方法……………………………13

2 ハスの鉢栽培の方法…………………………………24
 @ 容器………………………………………………………………………24
 A 鉢の置き場所……………………………………………………………24
 B 用土………………………………………………………………………24
 C 元肥………………………………………………………………………25
 D 植付け方法と水の管理及び追肥 ………………………………………26
 E ハスの生育経過と管理 …………………………………………………35
 F 秋から冬にかけての管理 ………………………………………………37

あとがき ………………………………………………… 41
引用文献・参考文献 …………………………………… 42

  はじめに
 真夏の早朝、朝露にぬれて美しく輝くハスの花を見ると、心が洗われるような気持ちになります。そして、自分も庭に一輪咲かせてみたいと思うでしょうが、一般的には広い庭や池を持たない殆どの人はそこであきらめてしまいます。
 しかし栽培方法によっては誰でも、普通の家の庭で花ハスの観賞ができる鉢栽培があることを知っていただきたいのです。
 ハスの生い立ちは、原産地はインドや中国とされていますが、日本でも1〜2万年前の古ハスの葉の化石が発見されております。わが国では、古事記や日本書紀にも記されておりますが、歴史的、文化的には、インドや中国から仏教とともに渡来した関係で一般的に仏教の花として多くの人々に知られてきました。
 中国では「泥中にあって泥に染まらず、花の君子」とたとえられ、めでたい花として称讃されております。
 戦後、わが国では大賀一郎博士が、昭和26年に千葉県検見川の泥炭層から二千年前のハスの種を発見し、その種を発芽育成され紅色の大きな花を咲かせました。千葉県はこのハスを「大賀蓮」と命名し、それが切っ掛けで全世界的にハスブームとなり、愛好家の庭先でも鉢栽培によるハスの観賞ができるようになってきました。また、前述のように従来ハスは仏花として仏前の供花に使われ、祝儀の花に用いないとされてきました(流儀によっては祝儀の席の花として用いている。)が、近年のハスブーム以来生け花にもいろいろ工夫されて使用されるようになってきました。
 しかし、ハス作りは皆さんが庭先で草花をプランターに栽培するようにはいきません。今日の草花栽培はガーデニングブームにより、関係書籍や雑誌が何時、何処ででも人手できますが、ハスは多くの花関係部門から見ると至ってマイナーな花ですから、栽培本やマニュアル本は殆ど書店にはでておりません。
 こうしたことから、京都花蓮研究会には、ハスを栽培したいがどうすればよいか、何時、どうして植えるのかなどの問合せが沢山あります。 ハスの鉢栽培について、社団法人京都フラワーセンター及び京都府城陽市観音堂でのハスの栽培経験と、各種出版されている参考文献や京都花蓮研究会会員の皆さんのご指導をもとに、鉢と土及び種蓮根が入手できれば誰でもハスの花を咲かせて楽しむことが出来るように、その栽培方法について一事例を中心にまとめてみました。初めてハスの鉢栽培をされる方に参考になれば幸いです。
                                     平成20年1月                     嘉 住 熊 二